白黒のぬくもり

何もそんなに驚かなくても…と思うが、お風呂もドライヤーもアルトは初体験。
そもそも猫はお風呂もドライヤーも嫌いらしいから、驚くのも無理はないか…。
風邪をひかないかな?と心配に思ったけれど、あんまり嫌なことしてストレスを与えたらいけないなぁ、と思ってそのまま様子を見る事にした。
それでなくても今日は可哀想な思いをさせたわけだし。

暫く雑誌や小説に目を通して壁に掛けられた時計を見ると、もう12時を回っていた。
そういえば昨日の夜出掛けたのが12時頃で、昨日は確かお昼前には起きている筈だからもう36時間くらい起きっぱなしという事になる。

極度の不眠症だから、そう眠いというわけではないのだけれど、体は不眠症には付き合ってはくれない。
節々が痛かった。
食欲も全然ない。

はぁ、薬飲んで寝ようかな…。
薬箱に手をかけようとした時アルトに晩ご飯をあげるのを忘れている事に気付いた、何やってるんだ、私は。

立ち上がって小皿を取り、缶詰めの蓋を開けるとその音に反応して玄関先にいたアルトがやってきた。
もうほとんど毛は乾いていた。