車に乗り込むと私は尚史を急かしに急かした。

「マジで超急いで!!早く早く!」そのあとが地獄だった。日曜ということもあって道路はどこもかしこも大渋滞。
とかく横浜という土地の土日は地方からのデートカップルの車で、あり得ないくらい混む。

なんなのよ!!
尚史に言うわけでもなく
「横浜に確たる用事のない奴は横浜くんな!どーしても横浜にデートしたけりゃ前もって役所に届け出して立ち入りを規制しろよーぅ!」まったく理不尽な事を言っているのだろうけど、とにかく焦っていた。


漸くアパートに車がつけたのは出発から3時間が経とうとしていた。
陽はもう暮れている。
口早に尚史に「送ってくれてありがと!もう飲みすぎんなよ!じゃあまたね!」と言うと勢いよくドアを閉めアパートの階段を駆け上がった。

玄関を開け、灯りをつけるとか細い声で「みゃぁ」と鳴きながらアルトが駆け寄ってきた。
その場で抱き上げ部屋へ入ると、段ボールの上に載せていたカリカリが床にばらまかれていた。
え?と思ってご飯入れを見るとお水も、ご飯も空っぽになっていた…。

途端、私の目から涙が溢れ出した。