白黒のぬくもり

入れている矢先にてってって、とアルトが近づいてきて、今入れたばかりのカリカリを食べた。

アルトを抱えて
「これは明日の朝のぶんなんだよ?今食べたらあとでお腹すくよ?」まだ食べたそうにしているアルトに言い聞かせる。

それでもパクパク食べてしまうので、大分多めにご飯を入れた。

携帯が鳴る、時計をみればもう11:45分、電話にでると「もう5分くらいで着くよー」と言われたのでバッグを持って、香水を3、4回振り掛けて手首や耳の後ろにこすりつける。

アルトはまだ食べていた。「アルト、明日の午前中には帰ってくるからいい子にしてるんだよ?じゃあお姉ちゃんはもう出掛けるからね?電気はスタンドだけつけてくね、じゃあ行ってくるね」そこまで言い終えると、アルトはご飯皿から顔をあげて、玄関に向かう私の跡をおってきた。

玄関で一回アルトを抱き上げておでこにキスをして
「じゃあね、お留守番よろしくね」ぐるぐるいっているアルトをそっと床に下ろして玄関を閉めた。

アパートの階段を降りていくと、階下にピカピカのキャデが止まっていた。
中を覗き込むと尚史の顔が運転席にあった。

私は作り笑いをして重いドアをあけ、助手席に乗り込んだ。