白黒のぬくもり

かごにビニール袋を入れる、パンパンだ。
チャリンコに乗るとかごの重みでハンドルがぐらついた。
トイレを背負っていることもあって運転は実にたどたどしく、帰りは行きの倍くらい時間がかかってしまった。


玄関を開けると正面にアルトがお座りしていた。
「ただいまぁ!アルトお出迎えしてくれたの?」
プルプルっと尻尾が膨れた。

出迎えてくれたのが嬉しくてビニール袋を投げ出して、アルトにむかって手を伸ばした瞬間、ぶちっと背負っていた猫トイレが音を立てて落っこちた。

その音に驚いてアルトは猫のくせに脱兎のごとく部屋の奥へと逃げこんだ。

「ごめんね!!驚いちゃったね」慌てて落っこちたトイレやビニール袋を持って部屋の中に入る。

アルトはソファーの陰で恐る恐るこっちを伺っている。
ご機嫌とらなきゃと思って、ビニール袋から蛍光ピンクの首輪とジャーキーを取り出してアルトの前でふると、首輪についた小さな鈴がチリンチリンと音を立てた。

「ほら、アルトに買ってきたよ」アルトは首をかしげて、そろりとこちらに寄る。
「お留守番できていい子だったね、首輪しようね」
ぐるぐるいいながら私の周りをぐるぐるする。