「夏樹くん、また席前後だね!
めっちゃ嬉しい。」

「…まあ出席番号順だしな。」

彼は〝 佐倉 夏樹 〟で、
わたしは〝 笹中 梓 〟だから、
去年も前の席が夏樹くんだったのだ。

「教卓の前、がんばってね!」

「…バカにしやがって。」

ちょっとだけプイってするの、
すっごい可愛いです。

「夏樹くん何しても可愛い。
ほんと愛しい。」

いつも思っていた。
なんでこんなに可愛いんだろう。

すると隣から笑い声が聞こえてきた。

「梓ちゃん夏樹のこと大好きだよね〜」

「佑馬黙れ!」

夏樹くんが噛みつくように反応する。

「菊池くんおはよう!」

彼も1年の頃から続いて同じクラスの、
菊池佑馬くんだ。

夏樹くんととっても仲良しな男の子で、
女の子からの支持はハンパない。