遠くの方で雷が鳴って、ピカッと時々光る。
「うぎ!雷~!どうか落ちないで~!」
横殴りの雨に、一応傘をあてがって抵抗してみる。
ジュンはこんな天気だというのにグングン前に引っ張る。
「ジュン~!もう無理~!帰ろ?」
…って…通じないってな。
ジュンよ…今だけ日本語…いや、人間語を分かれ…
《ビュォオォォオ!!》
「んぎゃあぁぁあ!!」
凄まじい風に持っていた傘は逆方向にたたまれた。
「……最悪。」
《ゴロゴロゴロ~!!》
「雷のあほー!!」
《ピカッ!!ドドドドン!》
「きゃあぁ!!」
まぶ…眩しい!!
落ちた。絶対近くに落ちた。
「ひぃぃ…」
《グンッ》
その雷の音にジュンもびっくりしたようで、勢いよくこっちに戻ってきた。
のはいいんだけど…
「ぎょわ!!」
いきなりの方向転換に、足がもつれる。
いやだー!ここで転んだら最悪だー!