ジュンというのはウチで飼っている犬で、トイレは散歩中しかしない。


雨が降ってようが、槍が降ってようが関係ない。


「えぇ~?また外出るのやだ~。」


「あんたが世話するって言ったから飼ったのよ?ジュンがお漏らししてもいいの?」



それを言われると反論できん…



「はいはい…もぉ~。」


ジュンはクゥ~ンと鳴いて玄関の前にいた。



「ほら、カッパ着て!」


ジュンに犬用のカッパを着せて、安いビニール傘を持って外に出た。



《ビュォオォォオ!!》


うわ……これは…傘、意味なし。



外はありえないくらいの豪雨で、台風かってくらいの風が吹いてた。



あ、言い忘れたけど、ここ北海道の札幌市。



梅雨はないし、台風もめったにこない。



今までの人生で、台風を経験したことはまだない。



でも…



これって…台風って言わないの?



台風何号~とか知らないけどさ



とにかく、こんな天気に外に出るのは


台風中継のリポーターか私くらいだよ…



そんな事を考えながらジュンの散歩に行った。