「シャカーワ、カリニャ、それぞれひとつずつしか時計は持っていないのじゃ。」




じゃあ…



「トレニア様か、リュウ…リュニウス王子…どちらかってことですか…」


「うむ……しかし…その2人とも…異世界から来たような素振りは見せていないようじゃが…」



だよね…2人とも現地人って感じだし。



でも…



「とにかく…確認してみます!もしかしたら、隠してるだけかも!」



「時計を探すんじゃ、必ず持っているはずじゃ!」



「わかりました!!」



私は勢いよく図書館を飛び出した。



リュウ…



きっとリュウな気がする。



何の根拠もないのに、リュウがそうだと確信している自分がいた。



もしリュウがもう一人の異世界の者なら…もし私と同じ世界の人なら…





一緒に帰れるかもしれない…




そんな期待で胸がいっぱいになった。



きっと…



きっと…



リュウは私の運命の人なんだ。