「ユナ様、さぁ帰りましょう!」
馬車から降りてきた男の人は私の肩をがっちり掴んで馬車に乗せようとする。
「あ、あのっ!?」
「外出する時は一声かけて下さいと何度言ったら分かるんですか!?」
「え…あ、ごめんなさい…」
…ってなんで謝ってんだ?あたしゃ…
そうこうしている間に馬車に押し込められた。
「いいぞ、出してくれ。」
その人は馬の後ろに座っている人に声をかけ、馬車はゆっくりと動き出した。
いったい…どういうことなの?
この人…私のこと知ってるみたい…名前も。
どこかで会ったっけ!?
見たところ…20代前半くらいかな?
こんな知り合いいたっけな~?
「…ナ様!?ユナ様!?聞いてるんですか!?」
「はっ!いいえ!じゃなくて、はい!」
「この辺りは人狩りも出るんです!ユナ様に何かあったら、陛下に何と言えば…」
「へ、陛下…?」
陛下って…王様のことか?
「あの…その…つかぬことをお聞きしますが…」
「…なんですか?」
「えっと…陛下というのは…?」
「は?…ユナ様?どうしたんですか?」
どうしたもこうしたもねぇやい!!