七センチ後を歩く

 鞄を投げ、制服のままベッドへダイブする。
 そんなことはわかってる。
 でも、行きたいところも、何もないんだ。
 こんなつまらない人生、やりたいことなんて見つかるわけない。
 不意に、七年前を思い出す。
 それは私が小1の頃。
 私は今とは真逆の都会の方に住んでいた。
 今より全然友達も多くて、元気で、毎日楽しかった。
 だけど小1の冬、親の転勤で急に転校が決まった。
 その頃は転校とかよくわかんなくて、ただその時のマンションより広い一軒家に住めるもんだから転校したいだなんて言って、転校した後にもう皆とは会えないことに気がついた。