「ふーん」
 何でもないことはない。
「あ、今日日直だから先帰ってて」
「え、いや手伝うよ?」
「いや、今日その後用事あるし」
「そっか、わかった」
 
 皆が帰った後、私は日直の仕事を淡々と片付けていく。
 黒板には7月19日と書いてある。
 もう8月並の暑さだ。
 私は窓を閉め、戸締まり等を確認し、誰も居ない教室を後にした。