外は太陽が眩しいくらいに照らしている。
ジメジメと暑い室内。伝う汗。
それを下敷きで扇ぎながら、私は数学の教科書を見た。
よくわからない公式や図形が並んでいる。
私はノートのページの角に描いたパラパラ漫画をめくって今日最後の授業が終わるのを待った。
チャイムが鳴り、号令の礼と共に一目散に窓にかけよる。
田んぼが並ぶもっともっと奥を私は見つめた。
また胸が締め付けられる。
頭にあの人の顔が過る。
「香ー奈!なにしてんの?」
「あーいや、ちょっと外見てた」
「いっつも見てるよねー。何かあるの?」
「いやほんとになんでもないよー」