放課後ボーイズ

「もう心配しないでよ、平気だからさ。
俺、湖歌(みずか)っていうんだ。」

自己紹介をする俺。
初対面だもんな。

「湖歌、湖歌……みーくんだね!」

さっきまでの心配そうな表情とはうってかわって、ぱっと笑顔を浮かべる少女。

みーくん、みーくんと付けたばかりの俺のあだ名を嬉々とし連呼している。


みーくん。

みーくん。


このくすぐったくもどかしく心地よい響き。
胸が、ぎゅっと幸せに締め付けられる、暖かく優しい苦しみを、俺は初めて体験した。


「みーくん、今日はありがとうね、助かったよ、いつかこの恩は…」


「返さなくてもいいよ。だって…」



俺は君に一目惚れしたから。

「だって…」の続きの告白は、そっと胸の奥にしまった。
恥ずかしったんだもん、なんちゃって。