放課後ボーイズ

「あのっ、ありがとう…っ…庇って、くれて……」

眉根を下げて、不安に揺らぐ瞳で…

少女は俺にお礼を言った。

どうにか、安心させてあげなくちゃ。
幼い頃の俺は、そんなことを考えていたような覚えがある。


「ううん、こんなの平気だよ。俺、男の子だもんね。」


ふふん、と鼻で笑ってみせる。

少女の前で格好をつけたかったのだ。


「血も出てる、し…本当に大丈夫…?」


心配症な子だなぁ……

でも、『俺のことを心配してくれている』と思ったら、胸がこう、どきん、と、うずうず、とするような……そんな感じになった。

幼いながらの恋心とでも、言うのだろうか?