「さー片付いた!帰ろうか!」 「ありがとう、助かった」 「じゃーねー」 手を振る。 また明日も邪魔してやろう。 「待て」 呼び止められた。 「なぁに?」 「最後に聞きたい、お前って、どんな所に住んでるんだ?」 「え?僕?僕はねぇ……」 あ。 これ、一番答えにくいやつだ。 住所でも言っておこうか。 いや、嘘は、いけない、よね。 「僕はね、多分、僕の家じゃないところに一人で、住んでいるんだよ。」 これが真実。 僕は今住んでいる所の記憶もない。