「小学生の頃?うーん…普通の子…だったかなぁ……」
適当なことを言ってしまった。
だって分からないし?
「そうか」
そう呟いて彼はまたラブレターを破る。
「それ、読まなくていいの?」
今更だが聞く。
「…読む気が、しないんだ……中身が理解、できない。」
ぼそり、ぼそりと話す。
「いつも女の子達と歩いてるけど、付き合い人とか恋人とか元カノとかはいない訳なの?」
「……別に …興味ないし……」
下を向き考え込む湖歌君。
手から細かく破られた紙が落とされて、はらはらはら、と紙が舞い落ちる。
蝶のようで綺麗だな、と思った。
「じゃ、ホモだったりするのかい?」
「違う」
あ、そこはしっかり否定するんだ。
そりゃ、そうだよな。
僕だってホモ扱いは嫌だもん。
