一枚手に取る。
一枚破る。
一枚手に取る。
一枚破る。
そう、俺の日課は放課後に貰ったラブレターや手紙をひたすら破ること。
中身は読まない、内容はどうせ頭に入らないんだし。
特に意味は無いし理由もない。
ただ一回やってみたらやめられなくなった、癖みたいなものだと思う。
かさぶたをはがす癖とか、鼻の頭の汗を手で拭う癖とか、それらと似たようなものだろ。
どうせ読みもしないラブレターだ、破ったりしても良心は痛まない。
先ほど破った紙切れを床に散らしてゆく。
掃除は面倒だけど、今は気にしない。
はらりはらりと紙吹雪のように紙切れが宙を舞った。
それを僅かに綺麗と思う、そんな現実逃避の時間なのだ。
