適当に過ごして気がついたら放課後。
「一緒に帰ろう」と誘ってくる奴やついてくる奴を撒いて、放課後の教室に居残る。
誰もいない教室。
何にもない教室。
カーテンは締め切られ、電気は消され、薄暗く静かだ。
自分の存在さえも忘れてしまいそうな感じ、この感覚が何とも言えない。
この自分一人の空間が、彼女と二人きりの空間に変わったら…
なんて女々しい妄想はそろそろやめたい。
時折窓側から運動部の声が聞こえる。
いつもいつもご苦労なことだ。
「よっこらしょ」
教卓に飛び乗る。
ガタン、と俺の体重を受け止め教卓が揺れる。
今日も日課を始めよう。
