そして、授業が始まった。
退屈だ。
出席日数も挙手回数も完璧な真面目君は一体何を心の支えにして生きているのだろうか。
何を犠牲にして生きているのだろうか。
真面目君には興味はないけれど。
はあっ、と溜息をつき己の右目に触れてみる。
長めの髪に覆われた右目。
髪を伸ばして、右目の傷跡を隠している。
あの運命の日についた傷だ。
誇りと思い出の傷だ。
他人には見られたくない、だから隠す。
この思い出は軽々しく他人と共有したくない、だから隠す。
どうでもいいことを考えていたら、頭にコツンと何かが当たった。
紙くずを丸めたものだ。
広げてみると、
『後で音楽室にきて!
dyまゆみ』
俺は音楽室の場所もまゆみって奴も知らないんだけど。
疲れたなぁ、もう寝よ。
