「「はーりせんぼんのーますっ」」
小指を解放させる。
さっきまで、自分以外の体温を感じていた小指は何か変な感じがする。
むず痒い感じ。
彼女の顔と僕の顔。
自然と笑顔がふわりと溢れる。
「みーくんは、運命のひとだもんっ!
いつか、また会えるから、ばいばいっ!」
そう言って、ひらひらひらと手を振り、家がある方に駆けて行く少女。
少女の姿が見えなくなるまで手を振り続ける。
ここで
少女を追いかけていれば
何か違ったかもしれないのかもしれない。
後悔しなかったのかもしれない。
今はもう遅いけれど。
バイバイって。
