【短編】君の声




捺芽との時間が大好きなのは私だけ?














悔しくて、哀しくて、

もう………なにもかも感情がごちゃごちゃで。







ただ、現実から目を逸らすように、
顔を逸らす。

彼の無音の声は、


…………目で聞くしかないのに。












━━━━ギュッ、




「…………っ、」



突然、痛いくらいに抱き締められて、
息が詰まる。

私を抱き締める捺芽の腕は少し震えていて…



彼の少しの震えと、
心地よい体温が、彼の存在を私に知らしめる。



………また、涙が溢れた。