【短編】君の声




捺芽の目がうっすらと開いて、
私を見上げる。


『………璃唯』



「捺芽、ありがとね」





心配そうに私の名前を呼ぶ彼。
私は精一杯の笑顔を彼に向けた。







『…璃唯、俺のせいでごめん。璃唯があんな風に言われるとは思ってなかった。……………俺なんかといるから璃唯は………』


眉を下げて、泣きそうな顔で捺芽は言う。

ただ、文字の羅列でしかないはずのスマホの画面を見つめる。



…………………


























「……捺芽のバカッ!!!私は捺芽が好きだからこうやって傍にいるの!!全部私の意志なんだから俺のせいでなんて言わないでッ!!」



気付いたら、思っていたこと全部、
泣きながら叫んでいた。



「……ふぅっ、」


捺芽の手を力の限り握りながら。





『…璃唯っ』



「……それとも、ッ、捺芽は私のことっ、好きじゃないの?」




それだけ吐き捨てて視線を捺芽から外す。