初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~

 
「それに、好きな人がなにかに一生懸命打ち込む姿っていうのは、たとえそれが自分にとって少しもわからないことでも、どえらい輝いて見えるものなんだよね。なんでも応援したくなっちゃうし、そのたびに惚れ直しちゃう。格好いいよ、写真に夢中になってるユニは」

「へぇ……」


部長を熱いまなざしで見つめはじめた美遥先輩の視線を追って、いまだ副部長と熱く語り合っている部長の横顔をちらりとうかがってみる。

残念ながら部長は美遥先輩の熱視線に気づく様子はなかったけれど、それでも先輩は、あまりかまってもらえないことをぶうたれるわけでも、怒るわけでも、鉄拳をお見舞いするわけでもなく、ただ幸せそうに眺めていて。

ああ、こういう関係っていいなと、自然とわたしの頬も持ち上がっていった。


ちなみに、先輩が口にした〝ユニ〟というのは、部長の名前である〝悠二〟が〝ユニ〟とも読めることから、つき合いだしてすぐの頃に先輩がつけたニックネームだ。

いつの間にか副部長もそう呼ぶようになり、生徒会関係で部長が呼び出されるときも当たり前に「ユニ」と校内放送がかかるので、その浸透度がよくうかがえる。