美遥先輩がこらえきれずにまた「あはは!」と笑い出す中、わたしはふたりに向かって笑顔を作ると、
「これで思い出せました」
と、冗談半分で、そう答えた。
派手にずっこけるふたり。
机をバンバン叩いて爆笑する美遥先輩。
空笑いのわたし。
とにもかくにも、これで写真部全員とプラス美遥先輩が揃ったわけで、なんとなく足が向かないまま今頃になってしまったけれど、今日は思い切って来てみてよかったなという気がしてくる。
これで、おいしい紅茶とクッキーなんかのお茶菓子があれば万々歳の展開だ。
それからしばらくののち。
「コンクールに出す写真、なににするか決めた?」
「うーん、ぶっちゃけ方向性もまだ決まってない。でも、最後のコンクールだし、それを思うと、とにかく一発気合いの入ったものを出したいなとはずっと思ってる」
「そうだよな、俺らは今年で最後だもんなぁ。被写体選びも重要だし、アングルとか光の加減とか、考え出したらマジでキリがないし。だけど俺も、自分がとことん満足できるものを出展したいってずっと思ってるよ」
「なんかこう……〝全部出し尽くした〟って感じの会心の1枚で締めくくりたいよな」
「ほんと、それな」


