初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~

 
いや、写真マニアは人選にはちっとも関係ないけれど、それよりもわたしは、会長や副会長が生徒会の権限を使って裏で暗躍し、この部が“写真部”として存続が成り立っているのではないかと密かに目星をつけている。

……まあ、怖くて聞けた試しはないけれど。


「ううん、図書室に写真の資料を取りに行ってるところなの。もうじき戻ってくると思うよ」

「あ、そうなんですね」

「うん。それよりモモちゃんは? 今日はどうしたの?」

「えっ!? わたしは、えーっと……」


美遥先輩に尋ねられて、とっさの言葉に詰まる。

それはもちろん、気分が沈んでいるから久々に部長と副部長に甘やかされに来たわけだけれど、その理由を説明するには、どこから話したらいいのやら。


「うーん……。たまには部室に来ないと、先輩たちの顔、なんだか忘れちゃいそうで」


なので、適当に誤魔化してみる。

はたして妙に勘が鋭いところがある美遥先輩相手にどこまで誤魔化せるかわからないけれど、今言ったことも半分は本当のことだから、あながち嘘でもない。

すると、美遥先輩は声を上げて笑いだした。