部員は3年生がふたり、2年生がわたし、1年生は今のところ……という状況だ。
それならどうして、部として成り立っているのかといえば、かつては美術部と並んで学校を代表する強い部だったから、とかなんとか。
コンクールに出れば誰かは必ず金賞を取るとかで、写真においてうちの高校の右に出る者はいなかったという、なかなか疑わしい歴史の恩恵で、本来は部として成り立たせるためには最低5人の部員が必要なところを、たったの3人でも“写真部”として存続が許されている。
「……仕方ない。久々に行ってみるか」
独りごちて足を写真部に向かわせる。
このまま帰っても別段構わなかったけれど、父と顔を合わせるのはいやだし、亜湖のところに顔を出しても、テニスのことはよくわからない。
それに、彼女の機嫌次第ではけっこうな量の雑用を平気で押しつけられてしまうこともあるので、気分がどんより沈んでいる今は、ちょっと敬遠しておきたい。
……インターハイ後に3年が引退して新体制になったテニス部は、今や亜湖の天下である。
一方の写真部は、写真マニアの先輩ふたりが今日も仲良く写真を語っているだけだから、とても平和だ。


