初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~

 
さっそく明日からペンダントを付けて登校しようかな、余っているチェーンあったっけ?

そんなふうに、わりと本気で考えてしまう自分がいて、恋に夢中の女の子っぽい思考回路になっているのが、なんだか無性におかしかった。


「あ、そうだ。写真撮ってもいい?」

「べつにいいけど」

「じゃあ、遠慮なくー」


長机からストンと下り、窓辺に移動する。

美術室内もそれなりに明るいけれど、撮るならやっぱり窓から入る自然光の下でのほうが、わたし的にきれいに撮れるような気がする。


まずはペンダントトップをそのまま窓の棧に置き、光の具合を鑑みながら多方向から何枚か。

それから、ハンカチの上に置いて、同じようにアングルを変えながら何枚か撮っていく。

今日のハンカチは白い木綿生地のもので、四辺に同じく白の控えめなレースが付いているという、いつもバカ丸出しのわたしにしては少女趣味だけれど、一目惚れしてどうしても欲しくなってしまったお気に入りの1枚だ。

ひととおり撮り終わると、スマホのアプリを立ち上げて確認しながら、よく撮れているものとそうではないものとをより分けつつ、ついでに空の写真も1枚だけ撮り、百井くんに見せに行く。