「じゃあ、オレにどう言ってほしいわけ」
「だから、そういうんでもなくて！ うーん、なんて言ったらいいのかなぁ……こんなわたしでも、亜湖がすごく心配してくれてるの。それに百井くんだって、よく知らない子に自分の話をされるのはどうなんだろうって思ったら、なんかモヤモヤしちゃうじゃん」
ぶしつけに聞かれたので、言葉にしにくい気持ちを大きく身振り手振りを交えながらなんとか説明する。
こういう話が出たついでに、この際、はっきりしておいたほうがいいんじゃないかと思う。
わたしは亜湖にどこまで百井くんのことを話しても大丈夫なのかという、そこらへんの明確なライン――曲がりなりにも自分のことなのだから、百井くん自身にしっかり示してもらいたい。
それに、自分勝手な理由で申し訳ないけれど、このままだと、心配してくれる亜湖に対して何も言えない罪悪感から脱出できない。
「オレ、そういう細かいの考えるの苦手」
「自分のことだよ!?」
「ニナの思ったようにすればいい」
「だから、それができないから、こうやって百井くんに相談してるんでしょ？ ……じゃあ、亜湖と友だちになろ？ それからだったら、いろいろ話してもいい？」
「めんどくせー」
