そう言い合うわしたちも、周りに漏れることなくカーディガンを羽織って学校に来ているわけだけれど、正直なところ、亜湖にどこまで話していいのか、わたしには判断が難しいのが実際のところだった。

亜湖はさっき、わたしさえよければ、と言ってくれたわけだけど、話を聞けば絶対にやめろって言うだろうなと思うわけなのだ。

当人のわたしでさえそう思うのだから、亜湖ならなおさらだろう。


――あの日。

カーテンの洗濯が終われば百井くんと話ができなくなると勝手に思い込んで早とちりし、脚立から落ちて床ドンしてしまった日。

なんとかテニス部の洗濯機を使わせてもらい、本来のクリーム色のカーテンに戻ったそれを抱えて美術室に引き返したわたしは、洗濯中にふと思い当たったことがあって、すぐに百井くんに確認を取った。

『顔から下だけのモデル、だよね?』と。

それを聞いて百井くんは真っ赤になって怒った――すなわち照れたので、初めからこのつもりでわたしにモデルを頼んだのだと納得。

それでもいいと思って引き受けたことを、わたしは真っ赤な顔の百井くんにとつとつと説明した。