初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~

 
ここ3週間で立て続けに人生においてこれ以上ないというほどの恥を晒したので、さすがに今回は涙をこらえたけれど、恥ずかしいし、あり得ないし、本当は今すぐにでも大声で泣きたい気分だ。


「あれだけ言ったのに落ちるニナが悪い」

「ほいでも胸って! 床ドンって!」

「胸くらい晒せ。モデルはみんな裸だぞ。それに、ああいうのは受け止めるだけで精一杯なもんなの。そのあとのことはオレ関係ない」

「くぅ、こういうときだけ長台詞……っ!」


けれど、尋問は一方通行。

ケンカ調でつっかかるわたしと、しれっとした態度で正論を言う百井くんとの対決は、きっと誰が見ても百井くんが圧勝だろう。

わたしだって本当は、ちゃんと注意を促してくれた百井くんを責めるのはお門違いだってわかっているし、意地を張って注意を無視した自分が一番悪いことも、重々承知している。

それでも、どうしてわたしが壁ドンならぬ床ドンをしてしまい、ついでに胸の大きさまで知られてしまう大サービスを犯してしまったのか、納得できるようで実は案外そうでもないのが実情だ。


だってそうだろう。

少女漫画ではこういう場合、男の子が自分の胸で落ちてきた女の子をしっかり受け止めている。