……パンツを晒したり、腰を抜かしたり、いくら亜湖が相手でも、そう言えることではないし。
ただ、それ以外のことはできるだけ詳しく、丁寧に説明したおかげで、どうやら優等生亜湖は答えを導き出せたらしい。
「それはつまり、プライドの問題ね」
「プライド……?」
「そ。百井が男の子だから、って言い換えてもいいかな。要するに、仁菜に同情で関わられるのが嫌だと思ったんじゃない?」
「わたし、そんなつもりじゃ……!」
思わず声が大きくなると、亜湖は「わかってるよ」と制してわたしを止め、続ける。
「もちろん、仁菜がそういうつもりで百井と関わろうとしてるんじゃないってことは、あたしだって、あんたを見てればわかる」
「うん」
「でも、これで懲りたでしょ? もしも百井に恋しちゃった、とかじゃないんなら、もう関わらないのが仁菜のためだと思うけどな。クラスの目、仁菜も感じたでしょ? あたしは、あたしの大事な仁菜がああいう目を向けられるのがたまらなくいやなのよ」
「……」
あたしの気持ち、わかるよね?というように微笑する亜湖に、言葉が詰まる。


