結果は、もうとっくに出ていた。

けれど持田先生は、実結先輩の告白に最後まで真剣に耳を傾け、けして先輩の気持ちを否定しなかったという。

もちろん、絵を壊したことに関しては叱られた。

だけど最後に、『受け入れることはできないけど、ちゃんと受け止めたから。ありがとう』と。

そう言って先生が笑ってくれたから、きちんと恋を終わらせることができたんだよって。

だからナツくんもモモちゃんも本当にありがとう、それからごめん、って。

次の日、泣き腫らした目をしながらも晴れやかな表情をした実結先輩が笑顔で報告してくれて、そうして今に至っている。


「あははっ。ナツくんのリアクション、ほんっと予想どおりで期待を裏切らないわー。からかいがいがあるよ」

「……先輩、騙したんですね?」

「騙したんじゃないよ、からかったの! 冗談も通じないなんて、ナツくん、頭固いんじゃないの?」

「くっ……」


ほら、やっぱりそう。

真に受けたのは百井くんだけで、挙げ句、先輩に言い負かされて、ぐうの音も出なくなってしまっている。

……ほんと、呆れるくらい素直で可愛いんだから、わたしの百井くんは。