デジタルの一眼レフで撮った何百枚という写真を家の写真館のパソコンに取り込み、一枚一枚選別したり、写真の大きさを決めて現像したりするのは、それなりに大変だったし、根気のいる作業でもあった。

ひとりでの作業なので夜遅くまでかかることもあって、みんなの楽しそうだったり真剣だったり、ふざけたりしている顔を延々と眺めていると、わたしも準備に参加している気持ちになったけれど、ちょっと孤独だな、とか思ってしまったり……。

そういうの、亜湖はわかってくれていたんだな。

そう思うと、なんだか報われた心地がした。


「あ、仁菜ちゃん! 写真、できたの?」

「……ああ、うん」

「ありがとう! おーい、みんなー、仁菜ちゃんの写真できたよー! 手の空いてる人から貼ってってー!」


ちょうどわたしたちの前をとおりかかった委員長に写真の束を渡すと、あっという間にみんなが周りに集まり、委員長から手渡された数枚の写真を楽しそうに眺めながら教室のあちこちに散っていく。

「ちょっ、俺、ブサイクに写ってる!」とか「あたし、お客さんに見られるの恥ずかしい」なんていう声が方々から上がるものの、みんな、その顔はニコニコとほころんでいて、誰一人本気で不満を訴えてくる人はいない。