ここまで作り込むのにどれだけの時間がかかったんだろうと思うと、わたしはいったいなにをしていたんだろうという思いが募って、とても居たたまれない気分になる。

みんなだってそれぞれ部活での出し物もあるわけで、そっちにだって参加しなきゃいけないのに、わたしばかりが部活を優先させてちゃ、いいわけがない。

もっと上手に時間をやり繰りできたんじゃないか、もっとわたしも手伝えたんじゃないかという思いが、今さらになって心を重くする。


「なに言ってんの。仁菜だって、ちゃんと準備に加わってたよ。みんな、仁菜が写真撮りに来てくれると嬉しいって言ってたし、今までに撮った準備風景の写真、しっかり現像して持ってきてくれてるじゃん。それにみんな、最後にそれを暗幕や教室の外の壁に貼るのを楽しみにしてるんだから、仁菜がなにもしてないなんて誰も思ってないよ」

「……そう思う? 楽しみにしてくれてる?」

「もちろん。当たり前じゃん」

「……うん」


隣にいる亜湖が笑ってそっと背中に手を添えてくれて、単純にも、少しずつ心が軽くなっていく。

亜湖が言ったように、準備風景を収めた写真は、最後にみんなで貼ることになっている。