初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~

 
「友だちがいないって言ったのも、わたしは友だちなのに、って面白くなかったりするの?」

「ふざけんな、何週間も美術室に顔出さないとか、調子狂うんだよ。……知ってんだかんな、ニナ、テニス部にも写真部にも顔出してるくせに、ここには絶対来ねーの。モデルなんだから、夏休みでも来いや」

「ぷっ……!」

「なんで笑う、ニナ嫌い」

「あはははっ!」


ああもう、なんだこれ、超絶可愛いじゃないか。

あんまり可愛いから、胸まできゅーんとしちゃうし。

亜湖が言っていた『懐いているのは仁菜のほうじゃなくて百井のほうかも』っていうのも、どうやら本当らしい。


「あはは、ごめんごめん、百井くんはわたしの友だち。美術室に顔を出さなかったのは、百井くんが夏休み中もここで絵を描くかわからなかったからで、他意はないよ。ていうか、百井くん、ずっと学校に来てたんだね。だったら声かけてよ。それに、いい機会だし、連絡先の交換もしとこう。それもあって誘えなかったから、近いうちに広い公園とかに行ってさ、絵を描いたり写真撮ったりしよ?」

「……、……う。それなら、まあ、許してやらないこともない」

「あははっ!」