それからわたしたちは、久しぶりに一緒に帰った帰り道で、アイスを食べたり、可愛い雑貨屋さんに入ったり、今度は偶然見つけた移動販売車で売られていたクレープを食べたりと、たくさんの寄り道をしながら夕方まで遊んだ。
百井くんに会えない夏休みは、少し寂しい。
だけど、しばらく会わなかったら、きっとこの胸の痛みもそのうち和らぐだろう。
そして、夏期講習で久しぶりに会ったとき、百井くんのことを今まで以上に〝友達〟だと思えるようになっていたら。
それはきっと、〝前向きな気持ちで終われた素敵な失恋〟なんだと思う。
そうしてわたしは、お盆休み前後に行われる夏期講習までの時間を、極力百井くんのことを考えないようにして過ごした。
部活優先の亜湖とはやっぱり、会って遊ぶことはなかなか叶わなかったけれど、その代わり、カメラや写真の勉強をしたり、コンクールに向けて被写体を探したりと、それなりに充実した時間を過ごせたと思う。
またカメラを始めたことを父に話したら、案の定、無理やりゴツいカメラを貸し付けられてしまって。
仕方がないので、首から提げて何度か学校に足を運んだりもした。


