頑張れって言ってくれたって、人物写真も撮ったほうがいいって勧めてくれたって、結局は全部〝友だち〟として言ってくれているだけなんでしょ?
百井くんが好きなのは実結先輩じゃん。
そんなのもう、とっくに気づいてるんだよ……。
――百井くんのことをよく見るようになって、とうとう気づいてしまったんだ。
彼が恋しているのは実結先輩なんだということに。
今描いている絵やスケッチブックの絵は、実結先輩をモデルにして描かれたものだったんだということに。
やばい、ちょっと涙出てきたかも。
「ニナ? オレ、そんなに地雷踏んだ?」
思わずぐすっと鼻をすすってしまうと、百井くんが慌てた様子でわたしに駆け寄り、気遣わしげに尋ねてきた。
なんでこういうときだけ脳内質問化解除の言い方になるの。
泣かせてしまった罪悪感からくるものなんだと頭ではわかっているのに、あんまり口調が優しいから、つい涙腺が緩んでしまいそうになる。
「ごめん、そうじゃない。わたしが自分で勝手に自分の地雷を踏みまくってるだけ」
「その地雷って?」
「言いたくない」
「可愛くない」
「わかってるよ」


