「恩返し?」 「そ。親孝行とでも、言うのかな…」 夕日を照り返して白く光る畳に視線をやりながら、私はとつとつと話しだした。 ※ 私の家はこの商店街の真ん中にある喫茶店。 両親は十年前に、二人とも事故で死んだ。 代わりに、残された店を切り盛りしながら私を育ててくれたのが、五歳離れている兄貴だった。