まな板に残った最後の一個は私の分。 見るからに甘そうな真っ赤な果肉が、瑞々しく輝いている。 すっごい美味しそう! ごくりと喉が鳴る。お昼ご飯も食べてなかったし、緊張しながら切ったから、もう喉がカラカラだ。 「せんせー早く!」 「早く食べよ!」 子どもたちの急かす声が聞こえてくる。 「ちょっと待ってね!」 手早く皿に乗せると、私はみんなのところに駆け寄った。 その時だった。