ぷっ。



腹が立つのに、思わず笑ってしまった。

子どもたちに囲まれて、おんなじように必死な表情をしている多希が、なんだかおっきな小学生みたいに見えて可笑しかったからかもしれない。



まぁ。

確かに根は悪いヤツじゃないのかな。

どうしようもない悪ガキではあるけど。


そう。


難しく考えないで、小学生が一人増えたって思えばいいのかな。


そうすれば恋愛対象になんて考えないし、勉強をみてやるだけですむ。


私は肩をすくめてみせた。


「じゃあ、食べたらすぐに勉強だからね」


小さな会館に歓声が響き渡った。


多希が一番おっきな声上げてるんだから、本当にもう、笑っちゃう。