「―――珠、花珠」 「あ、はい!」 「俺の話聞いてる?見物スポットはもう人で一杯になってるよね、って」 「あ、う、うん」 「穴場スポット知ってるんだけど、行く?ちょっと暗い所だけど」 「うん、だいじょぶ」 「じゃいこっか。ちょっと歩くけどついてきて?」 多希はぎゅっと握る手に力を入れた。 私も、その手を思い切って握り返した。