思わず見つめた私を真っ直ぐに見返して、多希は続けた。 「来てくれなかったら、そういうことだって諦めるから。もうあんたの前に姿を見せないから…」 「・・・・・」 「待ってる。ずっと待ってるから…」 そう言って、多希は救急車に乗り込んだ。 人混みの中をのろのろと進む救急車をしばらく見つめると、私は家への帰途についた。