悲痛な声をあげて、多希が縋りついた。

何度も何度も大きな声で呼びかけるけど、おじさんはぐったりとなって。



息すらもしていなかった―――



ただ立ち尽くしている、野次馬たち。

そして私。


けど。




見たことある。




私、この光景、見たことある。