「どう…だったの?お父さん…」 多希のお父さんには、私も兄貴もとてもお世話になっていた。 変に騒ぐべきじゃないと思って昨日は多希一人を見送ったけれども、内心、気が気ではなかった…。 「大したことないって。三日くらい入院すれば仕事に戻れるだろう、って」 「そっか…」 思わずほっと息をついた。 「よかった…。大事に至らなくて」 「うん。…でも」