ねぇ多希。

私はぜんぜんすごくなんかないの。

君に憧れられるような女の子じゃないんだよ。


もし、君がこんな私を知ったら…。


きっと、がっかりするね。

好きになったことを、後悔するね…。



「っ…」



込み上がってきた嗚咽を枕に押し消した。


私なんて、医学部に行くべきじゃなかったんだ。

もう逃げだしたい。

もう医者になんてならなくていい。