喫茶店の前を通り過ぎながら、多希は懐かしげに話し始めた。 「はじめ、いつも難しそうな顔して、難しそうな本にらんでいて、たいへんそーだなーくらいにしか思わないで見てた」 そう。 あの時はけっこう大量に参考書やノートなんかを持ち込んで必死こいてた。 身軽な荷物でリラックスタイムを楽しむ周りの客とはぜんぜん雰囲気がちがっていただろうから、目立っても仕方なかったかもしれない…。