私の兄は正義のヒーロー

「実際に見ないと分からないこともあるだろ?」

「まぁ…そうけど…」

兄が恥ずかしがっているのは明らかだった。

全国放送のテレビに出るのは良くて、妹がダメっておかしくない!?

そんなことを思いながら、朝霞に賛成した。

「あのさぁ…よくわかんないけど、ひとまず外に出ようよ。もちろん仮面キングとしてね。」

すると、兄はスマホで何かをし始めた。

「活動するときは真斗先輩に報告する約束なんだよ。」

どうやら真斗に電話をしているようだ。

スマホを軽く耳に当てている。

そんな耳も後遺症か、まだほんのり赤い。

「あっ!真斗先輩!あの…はいっ!…はい…じゃあ、いつもの…はい…了解です!失礼します…」

上司に連絡しているみたいだった。