「まぁ、どっちにしても、私は正義奉仕サークルの活動を見に来たんで。物理サークルのことは…おいといて、正義奉仕サークルについて教えてください。」

物理サークルのことはどうでもいいって言おうとした。

でも、やめた。

言葉づかいについては家族の中で誰よりも兄がうるさいからだ。

どうでもいいなんて言ったら、朝霞に失礼だ、とかすごく怒られそうだった。

考えただけでゾッとした。

いつも温厚な人が、いきなりキレるとそのギャップが怖さを増すのだ。

そんな思いもしらず、兄は朝霞の横にあった回転椅子に腰掛けた。

私も椅子を勧められたが、気分的に断った。