私の兄は正義のヒーロー

そのとき、家のベルが鳴った。


ピンポーン


こんな時間に客とは珍しい。

兄が部屋から出てくる様子もないので、私がでた。

ボタンを押して、相手の顔を見る。

そこには兄と同じくらいの年の男の人がいた。

メガネをかけていて、一見真面目そうだが、ラフな格好からは好青年に見えた。

しかし、見知らぬ人だ。

「あの…どちら様ですか…?」

私は恐る恐る聞いた。

「私、△△大学4年石田真斗(いしだ まさと)と申します。」