「優奈も来なさい」
優奈さんとオレを責めないでいてくれる、優衣のお父さんが手招きをした。
その隣で、優衣のお母さんは複雑な表情をしていて。
俯いたまま、優奈さんが優衣のお父さんの傍に駆け寄って行った。
オレは、オカンとオトンと一緒に帰る事に。
でも、誰も一言も発さなかった。
優衣は助かったというのに、喜びを分かち合うこともせず、逆にお通夜の様だった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・ごめん」
口火を切ったのは、オレ。
悪気があったわけじゃない。 悪意だってもちろんあるわけがない。
でも、オレが恋愛感情を持ち込まずに勉強だけをしていたら、オカン達の電話に出られた。
大人たちの信頼を失くす事もなければ、親に恥をかかす事も、優奈さんを傷つける事もなかったんだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・優衣ちゃん、無事で良かったな」
オカンは何も言ってくれなかったけれど、オトンが『これ以上喋るな』と言わんばかりの、オレの『ゴメン』の返事にはならない言葉を発した。
「・・・・・・・・・・・・・・・うん」
2人は、オレと優奈さんが何をしていたのかを気付いているから、これ以上何も聞きたくないのだろう。
親の気持ちを汲み取って、口を固く噤んだ。



